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最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか

最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか、河本薫、日経BP社を読了した。

最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか

最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか

  • 作者:河本 薫
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2017/11/24
  • メディア: 単行本

著者は長年大阪ガスで社内のデータ分析組織を率いた方であり、その経験から企業でデータ分析を活用するために大切なことを説明している。大阪ガスでは独自のデータ分析組織が社内部署のデータ活用をコンサルティングする形がとられている。

組織に貢献するために必要なものとして、最低限の統計やITの知識に加えて、本書の中ではデータ活用したい部署への必要十分な説明・議論、現場で使ってもらうための努力・使命感が重要としている。
コンサルティング部隊が知識・解析結果を提供するだけでは上手くいかず、当事者意識が重要であると理解した。

ガス会社の分析組織は、保険会社や製薬会社のそれとはことなり、具体的な期待がないことが特徴であるとのことである。ガス会社に限らずプラントエンジニアリング会社を含む多くの企業も同じであろう。その分、予算獲得や説明に苦労することが多くなると思われる。一方、データ分析の「こんな使い方があったのか」ということを見つけることが求められるといえ、社外の活用事例に捉われることなく独自の方法論を見つけることに注力する姿勢が大事であると思う。

最後に、著者の分析組織のリーダーであった経験から、リーダーとして組織を動かす上で意識するべきことが記載されている。部下の説明を即座に理解する専門知識は必要であるが、人を動かす能力が強く求められるとのこと。
これはデータ分析組織以外でも当てはまると思われる。会社の中では、過去にプレイヤーとして活躍した人が管理職につく場合が多いと思われるが、その人が管理職になった後、無私の姿勢で部下のサポートに注力できるとは限らない。プレイヤーとしては二番手以下であった人が管理職として適切であるということは当然あるだろう。